2007年5月– date –
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『生物と無生物のあいだ』を読んで自分の「流れ」を考える
『生物と無生物のあいだ』福岡伸一 タイトルは「生物と無生物のちがい」みたいなものと考えればよいのだろう。 もし生命を「自己複製するもの」と定義するなら、ウイルスはまぎれもなく生命体である。ウイルスが細胞に取りついてそのシステムを乗っ取り... -
『夜明け前のセレスティーノ』にくじける
『夜明け前のセレスティーノ』レイナルド・アレナス 安藤哲行訳 これは私には全く歯が立たなかった小説でした。 とりあえず、訳者の解説から。 夜でも朝でもない「夜明け前」は、自我が確立し社会に組み込まれる以前の主人公=語り手(十歳くらいの男の子... -
『エレンディラ』のことは忘れない
『エレンディラ』ガルシア=マルケス 鼓直・木村榮一訳 久しぶりに小説を読んでいて、こころがひっくり返されるような気がした。 短篇集で、以下の七編からなる。 1『大きな翼のある、ひどく年取った男』 2『失われた時の海』 3『この世でいちばん美し... -
『地下室の手記』から解放感を味わう
『地下室の手記』ドストエフスキー 安岡治子訳 光文社の古典新訳文庫で読んでみた。 たぶんずっと昔に新潮文庫で読んだのだろうが、いつものように内容をほとんど覚えておらず、はじめてのように読めた。 第1部「地下室」は哲学書のような体裁。 一般的... -
『仏教と日本人』を読んでまた少し考えた
『仏教と日本人』阿満利麿 このあいだ読んだ『日本仏教史』とよく似たテーマを取り上げた本。 『日本仏教史』のテーマを橋本治はこう解説していた。 この本は、「日本の仏教の歴史を書く本」ではなくて、「日本にやってきた仏教というものが"日本の仏教"と... -
『私たちは、どうつながっているのか』を読んで、人間関係に悩む自分について考える
『私たちは、どうつながっているのか ネットワークの科学を応用する』増田直紀 著者略歴によれば、複雑ネットワークと脳の理論を研究している、ということである。 書店で手に取り、人間関係を科学的に分析する、というアプローチが面白そうだったので衝... -
『孔子の哲学』を読み、明けすけに生きることにした
『孔子の哲学 「仁」とは何か』石川忠司 『極太!!思想家列伝』で一気に私の中で重要な批評家となった石川忠司の本を探していたら、このタイトルで、孔子かよ、と首をかしげながら手に入れ読み始めた。 結局、いつもの石川忠司なのだが、ただ、やはり孔... -
『日本仏教史』で仏教との関わりについて考えてみる
『日本仏教史-思想史としてのアプローチ-』末木文美士 著者の本は岩波新書の『日本宗教史』で初めて読んだが、仏教と神道との関係について初めて目を開かされた(神道の方がずうっと日本では古いと思っていたのだが、仏教が入ってきて、しばらくしてから... -
『過去のない男』を観て気楽になる
『過去のない男』アキ・カウリスマキ監督 いいです。 ひじょうに。 カウリスマキは村上春樹の導きで見るようになりました。 この映画もしみじみして、かつ、ばかばかしい話でかなりよい。 しかも映像がスタイリッシュ。 わざわざワンカットで男が二人すっ... -
『はじめての金融工学』拾い読み
『はじめての金融工学』真壁昭夫 デリバティブ、というものを仕事の関係で知っておく必要があって、とりあえず読んでみた。 やはり数学の知識がないとちょっと読みこなせない。 取り組めばできるのかもしれないが、Σなどの数式や記号などが出てきただけで...
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