2007年12月– date –
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『文章読本さん江』を読む
斎藤美奈子 斎藤美奈子の本は『妊娠小説』『冠婚葬祭入門』と読んできた。 斎藤美奈子の視点や、切り口や、裏付けの史料の膨大さもすばらしいが、何より文体が大好きだ。 などと、この『文章読本さん江』を読むと文体のことをうかつには言えなくなってしま... -
『よだかの星』をまた読んで
宮沢賢治 宮沢賢治の本はこどもの頃から読んでは来たけれど、正直言って『銀河鉄道の夜』とか『風の又三郎』がきちんと読めていたか、というと心許ない。 また読み直すことにしたけれど、そのなかで『よだかの星』はこどもの頃から読むのがつらい話だった... -
『パルプ』だよ人生は
チャールズ・ブコウスキー 柴田元幸訳 以前読んで、今回再読。 たぶん、初めて読んだときは相当読み飛ばしたのだろうな、と思う。 だってこの小説、かなり変なんだ。 探偵が依頼を受けて解決しようとする、というのが大きな話なのだが、この探偵、... -
『大聖堂』などカーヴァーの小説を読み続ける
村上春樹の訳したレイモンド・カーヴァーの短篇集を何冊か買って、順番に読むことをせず、適当に(解説なども参考にしながら)読んでいく。 これって好きなミュージシャンのアルバムを何枚か買って、シャッフルで聴いているのとよく似ている。 いままでこ... -
『くずれる水』『あかるい部屋のなかで』を読む
金井美恵子(『ピクニックその他の短篇』所収) 『くずれる水』を読んでいると、昔読んだ蓮實重彦の『陥没地帯』と雰囲気が似ているな、と思った。 [amazonjs asin="4309024866" locale="JP" title="陥没地帯/オペラ・オペラシオネル"] 『陥没地帯』は私が... -
『ささやかだけれど、役に立つこと』はすごい
『ささやかだけれど、役に立つこと』レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳(『大聖堂』所収) 『頼むから静かにしてくれ』がデビュー時の作品を集めたものだったのに比べて、『大聖堂』に収められている諸編は村上春樹の解説によれば、成熟期の作品であると... -
カーヴァーの短篇小説を読んでいる
『頼むから静かにしてくれ Ⅰ』レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳 『考える人』という雑誌の2007年春号で、村上春樹がインタビューを受け、カーヴァーから何を学んだのかという問いにこう答えている。 最後にカーヴァーからぼくが学んだのは、「偉... -
金井美恵子の短篇小説を読んでいる
『愛の生活/森のメリュジーヌ』『ピクニック、その他の短篇』など 短篇拾い読みはカフカから金井美恵子にまで手が伸びた。 金井美恵子というと最近はうねうねとつづく文体で、事細かな描写がある種の特徴だ、と思うけれど(変なことを言うとすぐ怒られそう... -
『処女の泉』を見る
イングマール・ベルイマン監督 宗教的であり、神話的な映画である。 山の中で二人の男に若い娘が強姦され殺される。 娘の帰りが遅いと心配する家族のもとにその犯人たち(二人に加えて一緒にいた幼い少年)が泊めてもらいたいと訪れた。 男が売りたいと差... -
『野いちご』を見る
イングマール・ベルイマン監督 最近考えていることは夢と、ノスタルジー(もしくは後悔)と、死だが、この映画はそれをすべて網羅した映画だ。 主人公は79歳の老教授で、大学で名誉教授の称号を受けることになっている。 朝、棺桶から自分が自分を引きず...
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