2007年12月– date –
-
『誕生日の子どもたち』を読む
トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 こんなに美しい小説が世の中にはあるんだなあ、とため息が出るほどだ。 カポーティは恥ずかしながらまだ読んだことがなかった。 『冷血』というノンフィクションを噂で聞いていたし、晩年のインチキくさいおや... -
カフカの短篇を読んでいる
『流刑地にて』など カフカ 池内紀訳 白水社から出ているカフカコレクション全八巻のうち、四冊は短い小説、もしくはまさに「断片」といった文章を集めたものになっている。 ときおりその中の文章を気が向いたときに拾い読みするのが、今のちょっとした... -
『ティモシーの誕生日』を読んだ
ウィリアム・トレヴァー 村上春樹訳(『バースデイ・ストーリーズ』所収) ウィリアム・トレヴァーという作家は、先日読んだ『千年の祈り』のイーユン・リーがかれの熱心な読者であり、「創作のすべては彼の作品から学んだ」と訳者あとがきで触れ... -
『夜長姫と耳男』を熱を出しながら読む
坂口安吾 最近ずっと短篇小説ばかり読んでいる。 しかも一人の作家の短篇集を読むのではなく、ひとつの短篇集のうちの一作品を読み、また別の短篇集の一作品を読む、というつまみ食いみたいなことをしている。 これはたとえば音楽家のアルバムを聴く際に、...
12