『松ヶ根乱射事件』山下敦弘監督
一応、若干ネタバレです、と書いておく。
当然はげしいバイオレンス映画ではないか、と思って、見る。
それらしい事件は起きる。
いなかの都市。
殺人を犯して逃げてきたと思われる男女。
それに巻き込まれる双子の弟。
閉ざされた関係の中でのぐずぐずの性愛。
こちらには双子の兄で、警察官。
閉塞感が溜まっていく。
たぶん誰かが爆発するんだなあ、とどこかでわくわくしながら見る。
警察官の兄は精神的に追い詰められていく。
乱射事件なんだから、警察官の持っている拳銃が乱射されるのにちがいない。
そして、乱射事件。
警察官の兄が突然交番の外に出ると、拳銃を空や周囲(誰もいない)に向かってぶっ放す。
そして、同僚の警官に「もう、だいじょうぶっすから」と言ってまた交番に戻る。
以上。
このオチのためにこの映画が撮られたのだ、とやっと気づく。
がっかりなんかしなかった。
人生ってたぶんこんなものである。
さしあたり、事件はこの程度が関の山に過ぎない。
リアルすぎる。
今ひとつすっきりしない気分をすかっとさせよう、と思ってみたつもりだったが、夢にまで出てくる閉塞感。
すっきりはしないけど、納得はする映画。
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