2008年– date –
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『ロング・グッドバイ』を読む
レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳 『長いお別れ』は清水俊二訳のハヤカワ文庫で大昔に読んだ。 フィリップ・マーロウかっこいい、という記憶しかなくて、どういう筋だったかほとんどおぼえていなかった。 ギムレットは確か出てくるよな、と思... -
『ねじまき鳥クロニクル』を読む
村上春樹 精神的にも肉体的にもにっちもさっちもいかない状況で、いつか読み直そうと思っていたこの本を久し振りに読んだ。 たぶん通して読んだのは出版されてすぐに読んで以来だと思う。 最初に読んだときは、あまりに物語の世界が深く、広いこと... -
『フラガール』を見た
李相日監督 評判がよかった映画をいまさら見た。 よくできている映画で、おもしろかった。 蒼井優をCM以外で見るのは実は初めてなのだが、上手だし、かわいいね。 筋は何だかむりしていたり破綻しているところもあるのだが、映画も小説も破綻しているべき... -
『チャーリーとチョコレート工場』を見る
ティム・バートン監督 すみません。 私にはまったく合わない映画みたいでした。 結末がどうなるのか、ということだけを頼みに最後まで見たけれど、それだけ。 なぜ合わなかったのか、ということはたぶん このあいだ、ほぼ日で糸井重里と北野武の対... -
『ティファニーで朝食を』を読む
トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 『ティファニーで朝食を』の映画はたぶん見ているのだろうが、例によってあまりはっきりおぼえていない。 「ムーンリバー」だけ別の機会に聴いているだけなのかもしれないが。 ホリー・ゴライトリーという女性のキャラ... -
『井戸』を読む
オネッティ(集英社「ラテンアメリカの文学」5巻所収) 1984年10月15日第1刷発行と書かれた「ラテンアメリカの文学 5」の『はかない人生/井戸/ハコボと他者』については、もう15年くらい前に友人の引っ越しを手伝ったときに不要だか... -
『木曜日だった男』を読む
『木曜日だった男 一つの悪夢』 チェスタトン 南條竹則訳 チェスタトンというとブラウン神父シリーズだが、いちおうこの小説も推理小説に入るのだろうか。 無政府主義結社を摘発するために無政府主義者に扮して侵入した詩人である刑事の物語。 日曜日か... -
『性的唯幻論序説』を読む
『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』岸田秀 岸田秀の本はけっこう読んでいるはずで、『ものぐさ精神分析』はおもしろかったと記憶している。 おそらく本書の改訂前、文春新書から出たものも読んだような気がするのだが、今回... -
「バス男」
ジャレッド・ヘス監督 友だちに教えてもらった、ひじょうにゆるゆるの映画。 しかし、このゆるさはここちよい。 主人公の高校生、ナポレオン・ダイナマイトはけっして無気力だったり、世間に無関心であったりするわけではない。 ただ、一般的な反応... -
ソローキンのどうしようもない小説
あいかわらずまともに本が読めず、こまったものだと思う。 読みたい気持ちはあるのだけれど、本に向かっていく気持ちが弱い。 とりあえず『考える人』2007春号の特集「短篇小説を読もう」の中で、豊崎由美さんが紹介していたウラジミール・ソローキンの『...