2009年6月– date –
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『吉本隆明1968』
鹿島茂 吉本隆明というと、私にとっては『共同幻想論』や『言語にとって美とは何か』を読もうとして歯が立たなかった相手であり、吉本ばななの父であり、反核運動に非を唱えた若干変わった人であり、糸井重里が今一番押している人物の一人であるという、漠... -
『あなたの苦手な彼女について』
橋本治 たぶん以前にも書いたのだろうが、橋本治の新書を読むということは、橋本治の思考の道筋をたどりながら読むことなので、わかりやすい結論にすぐ到着することはない。 回り道、脱線は当たり前だけれども、思考とはそもそも一直線では行かない... -
『バートン・フィンク』
コーエン兄弟 監督 コーエン兄弟の映画は2作しか見ていないけれど、村上春樹の小説と兄弟みたいなものかもしれない。 死、性、暴力、謎、比喩、そして物語が散りばめられている。 分からなくてもいい。 物語として受け止め切れれば。 いろいろ分析するの... -
『1Q84』
村上春樹 村上春樹の新作は『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』や『海辺のカフカ』のように、二つの話が交互に平行して進行していくスタイルの長編小説でした。 スピード、サスペンス、そして闇。 暴力や邪悪なものとどのように拮抗し...
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