2009年– date –
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『あなたの苦手な彼女について』
橋本治 たぶん以前にも書いたのだろうが、橋本治の新書を読むということは、橋本治の思考の道筋をたどりながら読むことなので、わかりやすい結論にすぐ到着することはない。 回り道、脱線は当たり前だけれども、思考とはそもそも一直線では行かない... -
『バートン・フィンク』
コーエン兄弟 監督 コーエン兄弟の映画は2作しか見ていないけれど、村上春樹の小説と兄弟みたいなものかもしれない。 死、性、暴力、謎、比喩、そして物語が散りばめられている。 分からなくてもいい。 物語として受け止め切れれば。 いろいろ分析するの... -
『1Q84』
村上春樹 村上春樹の新作は『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』や『海辺のカフカ』のように、二つの話が交互に平行して進行していくスタイルの長編小説でした。 スピード、サスペンス、そして闇。 暴力や邪悪なものとどのように拮抗し... -
『ノーカントリー』
監督 ジョエル&イーサン・コーエン 原題は「No country for Old men」 人がばたばた殺されていく、ひどく美しい映画。 どうしてこれほどに惹きつけられるのか。 ターミネーターみたいな殺し屋シガーがかっこいい。 頭がよすぎて誰もついて来られない。 ... -
『多読術』
松岡正剛 松岡正剛が好きだし、本の読み方の指南書みたいなものも好きなので早速読んだ。 編集者を聞き手として松岡さんが語る形式。 本をそんなにありがたいものと思ってたてまつる必要はない。 毎日食べる食事みたいなもので、気分によって食べた... -
『アクロイド殺し』
アガサ・クリスティー 羽田詩津子訳 アガサ・クリスティーについては恥ずかしながら読んだことがなくて、友だちがこの作品と『そして誰もいなくなった』を読んでおけばいい、と前に言っていたのを思い出して読んでみた。 最初は退屈な感じで読むの... -
『ひまわり』
ヴィットリオ・デ・シーカ監督 学生の頃に見たが、ヘンリー・マンシーニの音楽と、戦争による悲劇、というキャッチフレーズ的な記憶しかなかった。 改めて見てみると、映画のテンポの良さに驚く。 だらだらと悲しい悲しいと言っている映画ではなく... -
『鴨川ホルモー』
万城目学 タイトルが謎めいている。 読んでみると、この小説は基本的に「ホルモー」についての解説なのである。 ホルモーとは大学生が式神を使って戦う競技なのだが、簡単にそんなふうにかいつまんでもどうしようもなく、ばかばかしい話になってし... -
『夜の大捜査線』
ノーマン・ジュイソン監督 音楽がかっこいい、と思ったら、主題歌はレイ・チャールズで、音楽はクインシー・ジョーンズだった。 シドニー・ポワチエ演じる敏腕刑事がかっこいい。 よそから来た敏腕刑事と、元々いる署長が反発し合いながら、いつの間にか心... -
『昭和史 戦後篇』
『昭和史 戦後篇』半藤一利(平凡社) 先日半藤さんの『幕末史』がひじょうにおもしろかったが、そのときいっしょに手に入れた本。戦争が終わるまでの『昭和史 1926~1945』はすでに友人に借りて読んでいて、これでいちおう半藤さんの『~史』...