本を読んだら、おもしろかった、のような簡単な感想だけではなく、考えをもう少しまとめたおきたいなあ、と思います。
本棚を見るたび、かつて読んだはずの本について、自分でほとんど説明できないことにがっくりしているのです。
佐藤優さんは『読書の技法』で、本には「簡単に読むことができる本」「そこそこ時間がかかる本」「ものすごく時間がかかる本」の3種類があるといいます。
数ある本の中から、真に読むに値する本を選び出す作業の過程で速読術が必要とされるのだ。速読の第一の目的は、読まなくてよい本を外にはじき出すことである。(佐藤優『読書の技法』東洋経済新報社 P51)
実際には、超速読(試し読み)をした上で本を以下の四つに仕分けるそうです。
①熟読する必要があるもの
②普通の速読の対象にして、読書ノートを作成するもの
③普通の速読の対象にするが、読書ノートを作成するには及ばないもの
④超速読にとどめるもの
(P77)
ここでいう「普通の速読」とは「400ページ程度の一般書や学術書を30分程度で読む技法」(P76)のことです。
読書ノートを作る最大のポイントは、時間をかけすぎないことだ。
大切なのは正確な形でデータを引き出せることと、積み重ねた知識を定着させることで、完璧なノートを作ることではない。(P103)
恥ずかしいことに、この歳になるまでまともな読書ノートを書いたことがありません。
先日の入院の際、時間だけは膨大にあったので、一度読んだ白井聡さんの『永続敗戦論』について試しに読書ノートを書いてみましたが挫折しました。
抜き書きする箇所が多すぎたのです。
完璧な読書ノートはきっと本の丸写しであるのにはちがいないのですが、これでは意味がない。
なお、佐藤さんによれば、レーニンはノート作りの天才だったそうで、岩波文庫で上下2冊のヘーゲル『歴史哲学講義』を10ページで要約しているそうです。
佐藤さんもかつては「「完璧主義」が裏目に出て、ノート作りも非効率だった」そうで、少し勇気づけられます。
もう少し読書ノートを作る読書にチャレンジしたいと思います。
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