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『筒井康隆入門』

佐々木敦 星海社新書

筒井康隆の小説は前世紀まではある程度追ってきたつもりでしたが、今世紀に入ってからはなかなか読まないできてしまっていました。

通常の入門書は、伝記的部分が多かったりするものですが、この本ではそういう部分は完全に端折り、ひたすらデビュー作から発表順に解説がなされています。

その辺の割り切り方がよい。

何より、佐々木敦さんが筒井さんの大ファンであることが伝染して「ああ、筒井読みたい」という気にさせてくれます。

佐々木さんにとってのベストワンは『虚人たち』だそうです。

私も学生の頃『虚人たち』をわからないなりに読んで、すばらしいと思ったことを記憶していますが、細かいことは忘れています。

もう一度読まなくてはいけないなあ。

『脱走と追跡のサンバ』なんかどきどきして読んだけど、今読むとどんな気持ちになるんだろう。

とりあえずこれから読もうと思ったのは『夢の木坂分岐点』、『朝のガスパール』、『巨船ベラス・レトラス』、『ダンシング・ヴァニティ』、『モナドの領域』あたりでしょうか。

とにかく作品の量が多くて読むのもたいへんです。

83歳の現在も依然として疾走している筒井さんに見習わなくては。

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