岡田兵吾 ダイヤモンド社
著者の岡田さんは現在マイクロソフトシンガポール シニアマネジャーとして日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランドの4カ国のライセンス監査業務の責任者を務めています。
大学卒業後、アクセンチュア(日本、アメリカ)、デロイトコンサルティング(シンガポール)、マイクロソフト(シンガポール)のグローバル企業3社で21年間、シンガポール・日本・アメリカをベースに活躍されてきました。これまで、アジア全域の新事業開発、業務改善及び組織改革に従事されてきました。
トレードマークはリーゼント!
とにかくすごい人なんだと思います。
すごすぎて、自分と比べられないので困ります。
私は現在仕事をお休みしていて、ぼちぼち復帰できればいいなあ、とリハビリがてらこういった仕事術の本を読むのですが、それにしても立場があまりにかけ離れ過ぎている。
しかし読んでみると、意外と普通の会社員にも役立ちそうな身近なTipsがありました。
岡田さんは日本で仕事をされていた頃は、残業をやりまくっていて、それを武勇伝にしていたのですが、シンガポールではそうはいかず、そこから残業をしない仕事術を確立していったそうです。
私は、タスクリストを作ったあと、個々のタスクの優先順位づけに時間がかかってしまいがちなのですが
「仕事をするうえで、初期段階では優先順位にこだわってはいけません」
「やりたいことも苦手なことも、優先順位を付けないでやりましょう。まずはやってみる。それが仕事の初期段階では大切なのです」
と岡田さんはいいます。
新しい仕事を頼まれたら「まず3分取り掛か」るそうです。
なぜなら「仕事をやってみることで、初めて実質的な作業内容や工数が把握できる」からです。
私は臆病なので、事前についあれこれ調べたり考えたりしてなかなか仕事に取りかからない質です。
まずやってみる、というのはハードルが高いですが、思い返すと確かにまずやってみたときのほうが、あれこれ考えるよりずっと早いし、結果的に楽だったような気がします。
これからも「見るまえに跳ぶ」ことを心がけたい[amazonjs asin=”4576151878″ locale=”JP” title=”全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術”]
3分とりかかったその上で「やるべきことの全体像を確認し、作業しやすいレベルまで分解していく」のだといいます。
プロジェクトをタスクまで分解する、というのはGTDの考え方と同じで納得できました。
仮説をとにかく立てるという話はおもしろい。
仕事の圧縮を目指すなら、参考となる情報が少ない段階でも、とにかく仮説を立てます。
情報がなくて、どうやって仮説を立てるのか?
「自分自身の日々の経験や価値観」を元にしてで構わない、と岡田さんはいいます。
仮説で複数のアイデアが出てきたら、可能な限り、複数を同時に進行させることです。一つだけを議論して選んで失敗するより、同時に複数進めて仮説と検証を繰り返していくのです。 まずは、情報ゼロでも、仮説を立てることを心がけましょう。すばやく仮説を立て、これを検証することで、課題解決や意思決定が加速し、仕事圧縮につながります。
これも「見るまえに跳べ」作戦です。
うだうだ考えがちですが、とにかく手持ちの札で手を動かすこと。
なるほど。
その他に、仕事をしていく進めていく最初の段階で上司を巻き込んでおくことなど、実践的なトピックが詰め込まれています。
忘れかけていた、職場での振る舞いについてのいいシミュレーションにもなりました。