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『本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか』

佐々木閑 NHK出版

 

橋爪大三郎さんと大澤真幸さんの『ゆかいな仏教』を少し読んでいたのだが、前提とされる知識が高すぎてついていけず。

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仏教の基礎の基礎を学ぶためにこの本を読んでみました。

お釈迦様がインドで始めた原始仏教を中心に、講義形式で解説されています。
あまりに知らなかったことが多すぎて、若干恥ずかしいです。

・お釈迦様が生まれたのはネパール、ということも知りませんでした。
・インドで仏教が消えてしまったことも習った気がしますが、忘れてました。

せっかくお釈迦様がおつくりになった仏教ですが、インドではその後つぶれてしまいました。千五百年続いたのですが、結局は滅んでしまったのです。いまからちょうど千年くらい前です。

そういわれればインドの宗教はヒンドゥー教かイスラム教ですもんね。

お釈迦様は通称です。お生まれになった一族が「釈迦族」だからです

こんな調子で知らないことばかりを紹介していると、すべて引用しなくてはならなくなります。

特に「へえ」と思ったことを挙げます。

・お釈迦様は、修行当初に苦行をしていたけど、やめたということ。

お釈迦様も、食を断ったり、息をとめたりする過剰な苦行を行なうことによって自分の中の悪い要素を相殺し、それによって老病死の苦しみから逃れようと考えたのです。しかも六年間もやりました。

過去の失敗の経験にもとづいて、仏教は一切の苦行を否定する宗教になりました

仏教、というより宗教全体には自己罰的な苦しみを与えないと上のステージに行けない、というイメージがありますが、お釈迦様は苦行を否定していたのですね。意外でした。

・仏教は典型的な「都市型の宗教」であるということ。

仏教は必ず町や村の周辺で活動します。お寺は絶対に町の近くでなければならないのです。いまも昔もそうです。

生活のすべてを他人に頼らねばならない──と申し上げたら、みなさんどうですか? おそらく「それはちょっとイヤだなあ」と抵抗を感じられる方が多いと思います。しかし、人様のご厚意によって生きている、施しによって生かされているという謙虚な思いこそが、修行僧の生活を清廉で高潔なものにするのです。

お布施を出すことについては違和感や抵抗があります。
しかし、仏教では修行している人は自ら生産してはならないので、在家の人からの施しが必要なのですね。キリスト教の修道院などで自給自足していたのとは違うのです。
ということは、もう少し気持ちよくお布施を出さなくてはいけませんかねえ。

他にも、釈迦の弟子たちのエピソードや釈迦の言葉などが説明されていきます。
原始仏教とはどんな感じだったか、ということがイメージしやすい本です。
ただ、原始仏教こそが真の仏教で、現代日本の仏教は間違ったものだ、という考えにならないようにはしたいですね。

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