此元和津也 少年チャンピオンコミックス
マンガ好きの方からすれば、今さらかよという感じかと思います。
私の情報収集能力は、昭和の室内テレビアンテナのレベルしかないのです。
先日「Monograph」さんで紹介されていて初めて知りました。
タイトルすら知らなくて。
Amazon の『対象のKindleマンガに使える 99円で購入できるクーポン』の対象になっていたので、つまらなくてもいいかとかるい気持ちで読み出したのです。
結果、全8巻を一日で読まされる羽目に。
川岸にある石段で、男子高校生の「瀬戸」と「内海」がひたすらしゃべりつづける、ほぼそれだけの話。
他の登場人物も出てきますが、基本は二人のトーク。
場面もたまに学校が出てくる程度で、石段がほとんど。
限定された空間、登場人物なのですが、そこで繰り広げられるトークがとんでもなくハイレベル。
現代のトークの粋を集めたと言ってもいいくらい、おもしろい。
登場する比喩や展開を普段の会話に使いたいが、あまりに繊細かつ鋭くて難しい。
仮に普段の会話に使えたとしても、それをツッコんでくれる人が必要。
そして、トーク自体が壮大な前振りだったというその構造がすごい。
ネタバレしてもまったく面白さは褪せないけれど、書かないことにします。
私が好きだったのは、第54話「VとR」。
瀬戸が自分の頭が痛くなったということを「大ハンドモンスターに頭ギュウウウ掴まれる感じ」と喩える。
内海に突っ込まれつつ「自分の病気」の話と「大ハンドモンスターの冒険」の話を並行しながら話し続けていく。
そのうえ「大ハンドモンスターの冒険」の話が、この物語全体の比喩になっているような気がする。
村上春樹『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』っぽいのです。
二日間で二度読んでしまいました。
絵も好きだし、絶賛。
すでに、映画にもドラマにもなっていたんですね。
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いやー、知らなかった。
「小野田さんばりに世情に疎いな」。
だめだ、ぜんぜんだめ。