上阪徹 ミシマ社
上阪さんの本は『10倍速く書ける超スピード文章術』などを読んで、おもしろかった。
上阪さんは「ブックライター」。
たくさんの経営者の本を書いてきました。
しかし、「もしかすると読者の多くは、必ずしも経営者になるわけではないのではないか」ということが気になっていたそうです。
まあ、そうですよね。
むしろ社長のまわりの人たちの仕事ぶりに学べる部分が多いのではないか、と考えた上阪さん。
社長のまわりの人たちの仕事術にロングインタビューで迫った本です。
登場するまわりの人が仕える経営者は次の方々。
松本晃(カルビー)、南場智子(DeNA)、石川康晴(ストライプインターナショナル)、隈研吾(隈研吾建築都市設計事務所)、中川政七(中川政七商店)、次原悦子(サニーサイドアップ)。
「まわりの人」たちは経営者と渡り合える頭の回転や気配りの能力をもちろん持ち合わせています。
しかしその一方で、トップのいうことを適当に聞き流す力も共通しているなあと感じました。
経営者はパワフルで、すごいいきおいでアウトプットをします。
悪く言えば「思いつき」も多い。
それをすべてまともに聞いて実現しようとしたら、パンクしてしまいます。
「まわりの人」もそうですが、会社自体も不利益を被ります。
取捨選択しながら、いい部分を伸ばしていく。
経営者だけでは会社は成り立たないんだなあ、と当たり前のことを感じました。
「まわりの人」のインタビューから浮かび上がるのは、経営者のすごさです。
経営者の方々は私なんかと考え方や覚悟がまったく違う。
会社を背負っているという責任は、単なるサラリーマンとは違う生き方なんだなあ、と。
しかしそんな経営者の考えをサラリーマンの仕事に落とし込んでいくのが、まわりの人たちの仕事なのでしょう。
まわりの人たちがおしなべてToDoリストなどを使っていないというのは意外というか、やっぱりというか。
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