押井守監督
伝説的な名作とされているらしいこの作品をようやく見ることができました。
時間と夢についてのいわば思弁的な映画といえるのでしょう。
筋などについてはある程度予備知識としてわかっていたとはいえ、見てみるとかなりのインパクトがありました。
わたしは昔から同じようなことを考えていたからです。
今の自分は「現実」を生きているようだが、実際は「夢」を見ているのではないか。
それが「夢」であるという確証が得られないから「現実」として生きているだけなのではないか。
デカルトや、竹田青嗣の現象学の本などにも同じような話は出てきて、うまく言いくるめられてしまったようが覚えがあるのですが、その言いくるめられようを思い出せず、やっぱり夢と現実の区別なんかできないよなあ、といまだに思ってしまうのです。
そのアポリアから抜け出す方法はこの映画ではけっきょく示されません。
とても怖い話だと思い、まだこの映画の世界の空気に閉じ込められたままです。
文化祭の前日が繰り返される、というのがこの映画の導入ですが、たしか『イノセンス』でも、部屋に入っていくシーンが何度も何度も反復されていたことを思い出しました。
この監督は時間や夢についてずっと考えつづけているのでしょうか。
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