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『モナドの領域』
筒井康隆 新潮社 ある美術大学の近くで切り取られた女性の腕が見つかる。 その美大の近くのパン屋では、美大生のアルバイトが作った女性の腕を模したバケットが評判となる。 美大の結野教授はある日を境に、突然眼を「ふらふら」させながら初めて... -
『霊性の哲学』
若松英輔 角川選書 この本で章を立てて論じられるのは山崎弁栄(べんねい)、鈴木大拙、柳宗悦、吉満義彦、井筒俊彦、谺雄二です。 名前を知っていたのは鈴木、柳、井筒くらいですが、著書はきちんと読んだことはありません。 他にもたくさんの名前が登... -
『ゆるす 読むだけで心が晴れる仏教法話』
ウ・ジョーティカ 魚川祐司訳 新潮社 仏教を学ぶシリーズ。 世の中は「マインドフルネス」がはやっているようです。 というか、「マインドフルネス」ってなに。 『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』でもマインドフル... -
『ダンシング・ヴァニティ』
筒井康隆 新潮社 主人公の「おれ」は美術評論家の男です。 小説はこのように始まります。 「ねえ。誰かが家の前で喧嘩してるよ」浴衣姿の妹がおれの書斎に入ってきて言った。 書斎は裏庭に面しているので、前の通りの物音はほとんど聞こえない。そ... -
『池澤夏樹、文学全集を編む』
河出書房新社 池澤夏樹さんが編集に携わった河出書房新社の『世界文学全集』と『日本文学全集』は、『源氏物語』の中巻、下巻の刊行をもって完結します。 この本は、その全集発行の裏話や、関係した作家、翻訳者の方々のエッセイ、対談、講演などが... -
『だから仏教は面白い』
魚川祐司 今さら仏教を学ぼうシリーズ。 もともとは音声動画の形で配信された講義がもとなので読みやすいですが、私にとってはディープで刺激的な話ばかりです。 魚川さん(ニー仏)さんは1979年生まれ。 仏教の研究をされている方ですが、ご自分は... -
『本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか』
佐々木閑 NHK出版 橋爪大三郎さんと大澤真幸さんの『ゆかいな仏教』を少し読んでいたのだが、前提とされる知識が高すぎてついていけず。 [amazonjs asin="4905425573" locale="JP" title="ゆかいな仏教 (サンガ新書)"] 仏教の基礎の基礎を学ぶため... -
『集中力はいらない』
森博嗣 SB新書 ぼくは集中ができない。 勉強をしていても、仕事をしていてもすぐ飽きてしまって放り出してしまう(表面上はやっているふりをしてきた)。 そのことを弱点だと思ってずっと生きてきましたので、読んでみました。 森さんは以前は大学... -
『あなたは今、この文章を読んでいる パラフィクションの誕生』
佐々木敦 慶應義塾大学出版会 もう何十年も昔、仲のよかったカマタくんが中学校の卒業文集にこんなことを書いていました。 うっすらとした記憶から再現すると 私は卒業文集のために原稿用紙に向かっていた。しかし書くことがない。文集委員から原... -
『物語論 基礎と応用』
橋本陽介 講談社選書メチエ 「王が死んだ。」は物語ですが「原子は電子から構成されている。」は物語ではありません。 橋本さんは、物語とは「時間的な展開がある出来事を言葉で語ったもの」と定義します。 物語論(ナラトロジー)とは「物語は何...