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『名文を書かない文章講座』を読む
村田喜代子 わたしは村田喜代子の小説を読んだことがないのだけれど、ぱらぱらと立ち読みしていたらおもしろそうだったので手に入れた。 だいたいわたしは『文章読本』的なものが好きなのだ。 斉藤美奈子の『文章読本さん江』までも読むほどに。 [blogcard... -
『ロング・グッドバイ』を読む
レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳 『長いお別れ』は清水俊二訳のハヤカワ文庫で大昔に読んだ。 フィリップ・マーロウかっこいい、という記憶しかなくて、どういう筋だったかほとんどおぼえていなかった。 ギムレットは確か出てくるよな、と思... -
『ねじまき鳥クロニクル』を読む
村上春樹 精神的にも肉体的にもにっちもさっちもいかない状況で、いつか読み直そうと思っていたこの本を久し振りに読んだ。 たぶん通して読んだのは出版されてすぐに読んで以来だと思う。 最初に読んだときは、あまりに物語の世界が深く、広いこと... -
『ティファニーで朝食を』を読む
トルーマン・カポーティ 村上春樹訳 『ティファニーで朝食を』の映画はたぶん見ているのだろうが、例によってあまりはっきりおぼえていない。 「ムーンリバー」だけ別の機会に聴いているだけなのかもしれないが。 ホリー・ゴライトリーという女性のキャラ... -
『井戸』を読む
オネッティ(集英社「ラテンアメリカの文学」5巻所収) 1984年10月15日第1刷発行と書かれた「ラテンアメリカの文学 5」の『はかない人生/井戸/ハコボと他者』については、もう15年くらい前に友人の引っ越しを手伝ったときに不要だか... -
『木曜日だった男』を読む
『木曜日だった男 一つの悪夢』 チェスタトン 南條竹則訳 チェスタトンというとブラウン神父シリーズだが、いちおうこの小説も推理小説に入るのだろうか。 無政府主義結社を摘発するために無政府主義者に扮して侵入した詩人である刑事の物語。 日曜日か... -
『性的唯幻論序説』を読む
『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』岸田秀 岸田秀の本はけっこう読んでいるはずで、『ものぐさ精神分析』はおもしろかったと記憶している。 おそらく本書の改訂前、文春新書から出たものも読んだような気がするのだが、今回... -
ソローキンのどうしようもない小説
あいかわらずまともに本が読めず、こまったものだと思う。 読みたい気持ちはあるのだけれど、本に向かっていく気持ちが弱い。 とりあえず『考える人』2007春号の特集「短篇小説を読もう」の中で、豊崎由美さんが紹介していたウラジミール・ソローキンの『... -
不調の備忘録
本がまともに読めなくなって何ヶ月も経ち、このブログも基本的にあまり手をつけられないでいます。 集中力や持続力は読書にはそれなりに必要なのでしょうが、自覚できるほどにそれがなくなっていました。 ほとんど病気の状態です。 それでもぽつりぽつり本... -
『シェイクスピアのたくらみ』を読む
喜志哲雄 シェイクスピアをきちんと読んだりしたことはないように思う。 『ハムレット』は読んだような気もするが、『ロミオとジュリエット』や『マクベス』といった有名どころはたぶん読んでいないし、芝居も見ていない。 教養として知っておかなければい...