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『海に住む少女』を読んだ
シュペルヴィエル シュペルヴィエルの名前を知ったのは大岡信と谷川俊太郎の『対談現代詩入門』の中で、若い頃の両詩人が影響を受けた、というのを読んだからだった。 詩集を手に入れようと思ったのだけれど、絶版で、古本もとても高いから読めないと思っ... -
本の備忘録
『不可能性の時代』大澤真幸(岩波新書)『衆生の倫理』石川忠司(ちくま新書) 『不可能性の時代』を読んだ。 コンパクトな新書なのだが、情報量が圧倒的で参りました。 今回は、読んだ、と言うことだけ書いておきます。 示唆されることが多すぎる... -
『灯台守の話』を読む
『灯台守の話』ジャネット・ウィンターソン 岸本佐知子訳(白水社) BSブックレビューで紹介されていて手に取った小説。 物語についての物語。 孤児になった少女シルバーが灯台守の老人ピューに引き取られる。 ピューはシルバーに物語を語る。 ... -
『中原昌也作業日誌2004-2007』を読むべきである
中原昌也 中原昌也が雑誌に連載していた日記。 日記といえば永井荷風の『断腸亭日乗』やら大岡昇平の『成城だより』やら高橋源一郎の『追憶の一九八九年』などを読んできた。 特に高橋源一郎の日記はおもしろくて、なんども読み返した。 [amazonjs asin="4... -
『キャラクターメーカー』を読む
大塚英志 大塚英志の本はいろいろ読んできた。 この本はマンガやライトノベルの「キャラクター」をどうやって作ればいいか、ということを理論と実践(ワークショップ)を繰り返して教えてくれる本だ。 いっぽうで、『物語の体操――みるみる小説が書ける6つ... -
『あまりにも騒がしい孤独』を読む
ボフミル・フラバル Amazonで本をあれこれ探していたら、たまたま行き当たって手に入れた本。 チェコの作家というとカフカくらいしか知らなかったが、タイトルが気に入ったので読んでみた。 本についての小説であり、また、チェコの置かれていた状... -
『フロイト思想を読む』で生きる原理についておもう
『フロイト思想を読む』竹田青嗣・山竹伸二(NHKブックス) フロイトは興味があり、『夢判断』や『精神分析入門』、それに解説書もいろいろ読んだがいまいち腑に落ちなかった。 そのフロイトをを竹田青嗣が解説してくれそう、というので読んでみた... -
詩を読むこと
ここのところ、詩を読んでいる。 『戦後名詩選Ⅰ、Ⅱ』というのを中心にして、うちにあるいくつかのほこりをかぶった詩集を読んでいる。 詩をこの年齢になるまで読めないでいた。 読み方がわからなかったのだ。 詩集があるとして、それを頭から順番にきっち... -
『蝶のゆくえ』を読んでほかのものが読めなくなる
橋本治 高橋源一郎がすごいと言っていた橋本治の短篇集が文庫になったのでさっそく読んだ。 すごい。 特に最初に置かれている『ふらんだーすの犬』。 児童虐待の話を、子供の側から書いている。 救いも何もない話。 徹底的なリアリズム。 たぶん、こういう... -
『詩人・評論家・作家のための言語論』を読む
吉本隆明 荒川洋治の『文芸時評という感想』でこの本について書かれていたので読むことにした。 以前、吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』を読んでみたが挫折したのだが、それにつながるもので、「読者に無理のないように構成されているので、読みや...