Novel– category –
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『都市と星』
アーサー・C・クラーク 酒井昭伸訳 ハヤカワ文庫 不快なことは除去され、誕生や死も完全に管理された都市ダイアスパー。 特殊な生い立ちを持つアルヴィンはダイアスパーから外に出ようとする。 ダイアスパーは村上春樹『世界の終りとハードボイル... -
『星を継ぐもの』
ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫) 2028年頃の話。月の洞窟で人間の死体が発見されたが、それは5万年前の死体だった・・・ おそらくSF必読書の基本中の基本ですが、読んでませんでした。 始まりは月面の場面。ここに登場する「彼」と巨人コ... -
『涼宮ハルヒの憂鬱』~『驚愕』
『涼宮ハルヒの憂鬱』『溜息』『退屈』『消失』『暴走』『動揺』『陰謀』『憤慨』『分裂』『驚愕』谷川流(角川スニーカー文庫) 今さらですが10日間くらいで一気に読みました。 読みやすさのもとは文体にもありますが、キョンの視点から書かれて... -
『都市と都市』
チャイナ・ミレヴィル 日暮雅通訳 ハヤカワ文庫 ヨーロッパにあるふたつの都市国家ベジェルとウル・コーマの間で起こった殺人事件を巡るミステリーとSFの間の小説。 ほぼ現代の話ですが設定はもちろん架空。 当然ベルリンやエルサレムや朝鮮半島... -
『ガルガンチュアとパンタグリュエル』
フランソワ・ラブレー 宮下志朗訳 ちくま文庫 桑野隆『バフチン』、バフチン『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネサンスの民衆文化』と読んできてのラブレーだったが、実際読んだらすごかった。 もちろんこういう順序で読んでよかったとは思うが、... -
『さよなら、愛しい人』
レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳(ハヤカワ文庫) 大昔に清水俊二訳『さらば愛しき人よ』を読んだが、大鹿マロイという登場人物が大暴れをする活劇のような小説、というような記憶のみがあった。 まったく違った。 『砂の器』みたいな話であ... -
『この世の王国』
アレホ・カルペンティエル(水声社) 同じ南米の文学として一括りにするには、ガルシア=マルケスとは少し違う。猥雑さみたいなものがあまりない分読みやすい。 ちょうど中東での革命的な事件が起きている中これを読むと、支配者が倒れていく様が二... -
『白痴』
ドストエフスキー 望月哲男訳(河出文庫) 高校生の時に読んだのだが、いつもどおりほとんど覚えていない。 ムイシュキン公爵(今回の訳では「ムィシキン」)が無垢な存在であるということと、興奮して読んだということの記憶だけがあった。 高校... -
『赤と黒』
スタンダール 野崎歓訳(光文社古典新訳文庫) 『赤と黒』はおそらく私が中学~高校で「文学」として最初に読んだ小説の一つだ。 なぜ『赤と黒』だったのかあまり覚えていないのだが、きっと学校の国語の副読本で「心理小説の最高峰」みたいなこと... -
『東京島』
『東京島』桐野夏生(新潮文庫) 桐野夏生の小説を読むのはこれが初めてだ。谷崎潤一郎賞を取ったのは知っていたし、孤島に女一人と男が数十人というシチュエーションの小説だということも知っていた。 どちらかというと谷崎賞を取ったからというよりは、...