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『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』
栗原康 岩波書店 漠然とアナキストの生き方にはあこがれますが、実際には引きこもりの保守主義者。 そんな私にとって、本物のアナキスト伊藤野枝の生き方はうらやましくもあるし、励みにもなりました。 栗原さんはアナキズムの研究者。 伊... -
『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう レフト3.0の政治経済学』
ブレイディみかこ×松尾匡×北田暁大 亜紀書房 イギリス在住の保育士でライターのブレイディさん、経済学者の松尾さん、社会学者の北田さんによる対談本。 簡単に読めるだろう、と軽く思っていたが、読み応えのあるとんでもなくおもしろい本でした。 ヨ... -
『常世の花 石牟礼道子』
若松英輔 亜紀書房 若松英輔さんは、人と人をつなぐのが上手です。 「三田文学」の編集長をしていたこともあるのだから、それも当然なのかもしれないけれど。 そして私も若松さんの本を通して、いろんな人を紹介してもらってきました。 井筒俊彦、神谷美... -
『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』
仲正昌樹 NHK出版新書 「全体主義」は過去のことばのように思えます。 せいぜい、時の政権を大げさに批判するときに使うことばに過ぎないのではないでしょうか。 しかし仲正さんは、ハンナ・アーレントの『全体主義の起原』を読みときながら「全体主... -
『大江健三郎柄谷行人全対話 世界と日本と日本人』
大江健三郎さんと柄谷行人さんは、私にとっては小説と批評のそれぞれのジャンルのヒーローです。 その二人の対話、ということですぐ入手して読みました。 最近の対話かと思ったら、1990年代に行われた対談が収録されていました。 少しがっかり。 対談は、1... -
『ノーベル文学賞を読む ガルシア=マルケスからカズオ・イシグロまで』
橋本陽介 角川選書 「ノーベル文学賞」というと、ここ数年は村上春樹さんが受賞するのでは、ということで盛り上がっています。 そして、名前を知っているか知らないかの読んだことがない作家が受賞するたびに、がっかりするやらほっとするやらの微妙な気... -
『道なき未知』
森博嗣 KKベストセラーズ 森さんが雑誌、Webに連載していたエッセイをまとめた本です。 「ここに書いてあることだって、あまり信じない方が良い。役に立ちそうなところだけ、軽くすくい取って自分のために活用しよう」と書かれているので、そうすることに... -
『国体論 菊と星条旗』
白井聡 集英社新書 数年前、白井聡さんの『永続敗戦論』を興奮しながら読みました。日本人が知っておくべきことを知らなすぎていたことに気づかされました。 今回のこの『国体論』では、その名のとおり「国体」(もちろん「国民体育大会」の話ではない)... -
『芸能人寛容論 テレビの中のわだかまり』
武田砂鉄 青弓社 最近の若い人の間ではテレビ離れが進んでいるそうです。若くない私もテレビはあまり見なくなりました。そうすると、いったい誰がテレビを見張っているのか?ナンシー関さんがテレビの批評をしていた時代がありました。今は武田砂鉄さんが... -
『サブカルの想像力は資本主義を超えるか』
大澤真幸 角川書店 本書は早稲田大学で2016年〜17年に行われた講義を元に書かれた本です。 リアルタイムでみた作品をネタにしているので、わくわくしつつ読めました。 また、作品をみていなくても、あらすじがていねいにフォローされているので問題なく読...