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『可能なる革命』の可能性の中心
『可能なる革命』 大澤真幸 今さら革命なんて、と思う。 しかし、資本に身体もお金もデータも明け渡してしまっている現状でどこかで革命を夢見る気にもなる。 資本主義を乗り越える「革命」は可能か?というのが本書のテーマなのだが、実を言えば可能なの... -
『道徳形而上学の基礎づけ』
I・カント 宇都宮芳明訳(以文社) 村上春樹の小説で主人公が『純粋理性批判』を読んでいるのを読んで以来、カントは読まなくてはいけないと思い、入門書やらは読んだことはあったものの、恥ずかしながら原典に初めて当たった。 柄谷行人も竹田青... -
『世界史の構造』
柄谷行人(岩波書店) 柄谷行人の本は分からないなりにずうっと読んできた。 この分厚い本は、今までよりもずうっとわかりやすく書かれている。 『マルクスその可能性の中心』『日本近代文学の起源』あたりを読んでいたときには、いったい私はどこ... -
『影の現象学』
河合隼雄 15年くらい前に買った本だが、ここのところのユング関係の本を読む勢いで再読をすることにした。 ほとんど覚えていない。 若い頃はここに書いてあるおおよそすべてのことをオカルトじみて感じて敬遠していたのだと思う。 今読むと切実な問題に思... -
『諸子百家』
湯浅邦弘 恥ずかしいことに諸子百家について基本的なことすらよく分かっていない。 『論語』は石川忠志の影響で読もうと準備だけしていたけれど、そのほかの人たちのことが分からない。 どの思想がどのような関係にある、といった関係性もよく分からなかっ... -
『神話の力』
ジョーゼフ・キャンベル+ビル・モイヤーズ 飛田茂雄訳 大塚英志の本でキャンベルに言及されていたので、十年以上も前に買ったこの本を引っ張り出してきた。 [blogcard url="https://madao-betsuo.com/2009-07-14-010400/"] 神話について勉強しよ... -
『ユング』『ユング心理学入門』『創造する無意識』
『ユング』アンソニー・ストー 河合隼雄訳(岩波現代文庫) 『ユング心理学入門』河合隼雄(岩波文庫) 『創造する無意識─ユングの文芸論』ユング(平凡社ライブラリー) しばらく本を読む気がせず、ぼんやり過ごしていた。 書棚に、昔古本屋で買... -
『人間の未来―ヘーゲル哲学と現代資本主義』
竹田青嗣 ほとんどの人に何の自慢にも聞こえないのだろうが、竹田青嗣の本はかなり読んでいます。 しかしながら、ここのところまともに本を読める能力をほとんど失っており、この本についてもきちんと読めたとは言いがたいものがあります。 ひとつ... -
『サブリミナル・インパクト――情動と潜在認知の現代』
下条信輔 知覚心理学者である下条さんの本は以前『サブリミナル・マインド』を読んだことがあり、刺激を受けた。 [amazonjs asin="4121013247" locale="JP" title="サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)"] 例によって詳しいこと... -
『性的唯幻論序説』を読む
『性的唯幻論序説 改訂版 「やられる」セックスはもういらない』岸田秀 岸田秀の本はけっこう読んでいるはずで、『ものぐさ精神分析』はおもしろかったと記憶している。 おそらく本書の改訂前、文春新書から出たものも読んだような気がするのだが、今回...