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「映画を早送りで観る人たち〜ファスト映画・ネタバレ──コンテンツ消費の現在形」稲田豊史
タイトルどおりの本ですが、内容はとても濃くて、いろいろ考えさせられてしまいました。 特に若い世代が、映画やドラマを早送りで見るという習慣を持っているらしい。その理由はなにか。著者の稲田さんが多くの取材をもとに、仮説を立てています。1 見る... -
『詩を書くってどんなこと? こころの声を言葉にする』
若松英輔 平凡社 「中学生の質問箱」シリーズの一冊。 だから、実は少し甘く見ていたのです。 いくら若松さんの本といえども、子ども向けなんだろう?と。 確かに読みやすい。 しかし、ここ数年で読んだ本ではベスト3に入るくらいのすばらしい本で... -
『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』
栗原康 岩波新書 いつもの栗原さんです。 https://madao-betsuo.com/nanimononimoshibararenaitamenoseijigaku/ https://madao-betsuo.com/muranihiwotsukehakuchininareitonoeden/ https://madao-betsuo.com/shishitenaoodore/ すいすいすいっ... -
『宗教と資本主義・国家』
池上彰 佐藤優 松岡正剛 碧海寿広 若松英輔 角川書店 第Ⅰ部は池上さんと佐藤さんの対話。 第Ⅱ部は若松さんと碧海さんの講演。 第Ⅲ部は松岡さんによる論点整理と、全員によるパネルディスカッション。 そうそうたるメンバーだし、タイト... -
『今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇』
高橋源一郎 講談社 「戦後文学」というと野間宏や椎名麟三、梅崎春生といった作家の小説をつまみ食いするように読んだ程度です。 私にとっては「暗くて重い」のが戦後文学のイメージ。 安部公房も戦後文学に含まれるのかもしれないけど、自分の中... -
『アナキズム入門』
森元斎(もとなお) ちくま新書 最近よく読んでいる、アナキスト栗原康さんの流れで読んでみることにしました。 アナキズムとは何か。 森さんは、鶴見俊輔の次のような定義を引きます。 「アナキズムは、権力による強制なしに人間が互いに助けあっ... -
『死してなお踊れ 一遍上人伝』
栗原康 河出書房新社 アナキストの栗原さんが書いた、一遍上人についての伝記です。 一遍は鎌倉時代の僧侶。 「踊り念仏」でおなじみです。 栗原さんのいつもの超高速の文体で、一遍を現代人として描きます。 一遍は日本中を旅し続けました。 念仏さえ唱... -
『新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか』
松尾匡 講談社現代新書 タイトルと著者だけで読み始めたので、リベラルな経済学(そんなものがあるのかわからないけど)の話が書かれているのかな、と勝手に思い込んでいたのだが、違った。 https://madao-betsuo.com/sorosorosahawakeizaiwokataro/ 明治... -
『何ものにも縛られないための政治学 権力の脱構成』
栗原康 角川書店 難しそうなタイトルだけれど『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』の語り口がパワーアップされた、アナキズムの入門書です。 https://madao-betsuo.com/muranihiwotsukehakuchininareitonoeden/ 「権力は今やこの世界のインフラのう... -
『京都ぎらい』
井上章一 朝日新書 2016年の新書大賞を受賞したという本を、ようやく読みました。 話題にのぼっていたので、事前に情報が入ってきていました。 宇治に住む井上さんが、京都の真ん中に住む人々からそこは京都じゃないよね、的にばかにされる、という話。 ...