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『内村鑑三 悲しみの使徒』
若松英輔 岩波新書 本書によれば、1867年(慶応3年)から1873年(明治6年)まで、なお大規模なキリシタンの迫害がされていたのだそうです。 明治に入ってもキリスト教の迫害があったのですね。 内村鑑三が生まれたのは1861年。 その後札幌農学校に進み... -
『集中力はいらない』
森博嗣 SB新書 ぼくは集中ができない。 勉強をしていても、仕事をしていてもすぐ飽きてしまって放り出してしまう(表面上はやっているふりをしてきた)。 そのことを弱点だと思ってずっと生きてきましたので、読んでみました。 森さんは以前は大学... -
『あなたは今、この文章を読んでいる パラフィクションの誕生』
佐々木敦 慶應義塾大学出版会 もう何十年も昔、仲のよかったカマタくんが中学校の卒業文集にこんなことを書いていました。 うっすらとした記憶から再現すると 私は卒業文集のために原稿用紙に向かっていた。しかし書くことがない。文集委員から原... -
『物語論 基礎と応用』
橋本陽介 講談社選書メチエ 「王が死んだ。」は物語ですが「原子は電子から構成されている。」は物語ではありません。 橋本さんは、物語とは「時間的な展開がある出来事を言葉で語ったもの」と定義します。 物語論(ナラトロジー)とは「物語は何... -
『新しい小説のために』
『新しい小説のために』佐々木敦 佐々木さんは、日本に「新しい小説」が現れていることに気づきました。それらの小説のどこが新しいのか、なぜ新しくある必要があるのか、ということを追究していきます。「新しい小説」の書き手は岡田利規、磯崎憲一郎、... -
『文章読本X』
小谷野敦 中央公論新社 文章がうまくなりたい私は「文章読本」系の本に弱くて、つい手を出してしまいます。 小谷野さんの『バカのための読書術』に影響を受けて、歴史の勉強のため司馬遼太郎などの歴史小説を読み始めたりしたものです。 この本の「はじめ... -
『筒井康隆入門』
佐々木敦 星海社新書 筒井康隆の小説は前世紀まではある程度追ってきたつもりでしたが、今世紀に入ってからはなかなか読まないできてしまっていました。 通常の入門書は、伝記的部分が多かったりするものですが、この本ではそういう部分は完全に端折り、... -
『古典を読んでみましょう』
橋本治さんの『古典を読んでみましょう』(ちくまプリマー新書)を読みました。 古文の授業が苦痛でした。 そのまま今に至って、読みたいと思いながらほとんど古典は読んでいません。 大きく二つのことが書いてあると思いました。 一つはなぜ古典を読んだ... -
『夜戦と永遠』
佐々木中 本としてはかなりの価格だし、相当難しそうだし、と購入に二の足を踏んでいたが、『切り取れ、あの祈る手を』を読んでしまった以上手を出さないわけにはいかなかった。 まず、最初に私は今の段階でこの本について要約したり、説明したりす... -
『古事記を読みなおす』
三浦佑之 古事記については以前橋本治訳のものを読んだことがある。 また、本書の著者による『口語訳古事記』も買ってあるが、まだ読んでいない。 戦後の教育を受けている者としては神話についての常識がなさ過ぎることを痛感している。 あまりにも敗戦に...