criticism– category –
-
『切りとれ、あの祈る手を 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』
佐々木中(河出書房新社) 興奮しながら読んでしまったので、いつもにましてうまく書けない。 これはすばらしい本。 とにかく読むしかない。 説明は要らない。 本や文学に興味があるのなら読んだほうが絶対に得だ。 読んだ者は明らかに変わる。もしくは狂... -
『芭蕉入門』
井本農一(講談社学術文庫) 先日読んだ『小林一茶』(宗左近 集英社新書)の中で、著者は芭蕉と蕪村のことをこの上なく尊敬している、と言い切っている。 恥ずかしいことに芭蕉も蕪村もいくつかの句を除いては、ほとんどのことを知らない。 とい... -
『小林一茶』
宗左近(集英社新書) 信州に出かける用事があり、何の本を持って行こうかと考えたら、信州は小林一茶のふるさとだということを知り、この本を持って行った。 俳句や短歌のことはほとんどわからない。ましてや一茶についてはいくつかの有名な句しか... -
『物語論で読む村上春樹と宮崎駿』
大塚英志 最近書店に行かずAmazonでばかり本を買っていたが、新しい本についてチェックしきれないので久しぶりに書店に出向いたら大塚英志のこの本が出ていたので買った。 ジャパニメーションも村上春樹もよしもとばななも、それらが容易に世界化するの... -
『吉本隆明1968』
鹿島茂 吉本隆明というと、私にとっては『共同幻想論』や『言語にとって美とは何か』を読もうとして歯が立たなかった相手であり、吉本ばななの父であり、反核運動に非を唱えた若干変わった人であり、糸井重里が今一番押している人物の一人であるという、漠... -
『あなたの苦手な彼女について』
橋本治 たぶん以前にも書いたのだろうが、橋本治の新書を読むということは、橋本治の思考の道筋をたどりながら読むことなので、わかりやすい結論にすぐ到着することはない。 回り道、脱線は当たり前だけれども、思考とはそもそも一直線では行かない... -
『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方』
柴田元幸 高橋源一郎 柴田さんと高橋さんの対談集と聞いたらそれは読まずにいられまい。 柴田さんが大学までそんなに小説を読んでいなかった、という話に驚き、高橋さんが大江健三郎のことを「大きい狂気を抱えている人」と評したことに、ああそう... -
『現実入門』
穂村弘 この本については前からおもしろそうだなと思っていました。 なんといっても、わたしじしんが現実から逃避したままこの年までやってきてしまった、というふうにいつも思い続けていたからです。 そう、私は経験値が低い。「家を買う」というような... -
『短歌の友人』
穂村弘 高橋源一郎『大人にはわからない日本文学史』で面白そうに紹介されていたので手に取りました。 [blogcard url="https://madao-betsuo.com/2009-03-07-011119/"] これは面白い。 恥ずかしながら私は短歌にはあまり触れたことがありません。 ... -
『大人にはわからない日本文学史』
高橋源一郎 わかったことは明治から始まった近代日本文学というものが終わり、いままったく違う新しい時代が始まろうとしている、ということ。 新しい時代がどんなものになるのかはわからない。 文学についてのひとつの時代が終わるということは、...