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『赤と黒』
スタンダール 野崎歓訳(光文社古典新訳文庫) 『赤と黒』はおそらく私が中学~高校で「文学」として最初に読んだ小説の一つだ。 なぜ『赤と黒』だったのかあまり覚えていないのだが、きっと学校の国語の副読本で「心理小説の最高峰」みたいなこと... -
『それでも、日本人は戦争を選んだ』
加藤陽子 日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変~日中戦争、太平洋戦争それぞれの戦争を行う決断へ向かった背景を学生との対話形式で描いた本。 戦争は悪だ、というよくあるパターンの思考形式から書かれているわけではないので、風通しが... -
『考えよ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』
イビチャ・オシム オシムはJEFの監督の頃から大好きだ。 オシムの本はいくつか出ているが、この本はオシム本人が一応書いた体裁となっている点で、私がこれまで読んできたオシム本とは異なる。 前半は日本代表へのアドバイスみたいなものを含め... -
『東京島』
『東京島』桐野夏生(新潮文庫) 桐野夏生の小説を読むのはこれが初めてだ。谷崎潤一郎賞を取ったのは知っていたし、孤島に女一人と男が数十人というシチュエーションの小説だということも知っていた。 どちらかというと谷崎賞を取ったからというよりは、... -
『うわさのベーコン』
猫田道子 高橋源一郎が『ニッポンの小説』などですごいすごいと言っている『うわさのベーコン』を古書店でようやく手に入れて読むことができました。 『うわさのベーコン』は短編小説集で、表題作のほか全4篇が収められています。 読み終わったら少... -
『下流志向 学ばない子供たち 働かない若者たち』
内田樹 単行本がベストセラーだった。 文庫化されるまで待ち、文庫化されたらすぐ読んだ。 この本を読んで、いろいろ書こうと思ったけれども、うまく書けないのでやめた。 たぶん内田さんの仮説の適切さ、論理展開の鋭さに驚嘆しかしていないから。... -
『影の現象学』
河合隼雄 15年くらい前に買った本だが、ここのところのユング関係の本を読む勢いで再読をすることにした。 ほとんど覚えていない。 若い頃はここに書いてあるおおよそすべてのことをオカルトじみて感じて敬遠していたのだと思う。 今読むと切実な問題に思... -
『諸子百家』
湯浅邦弘 恥ずかしいことに諸子百家について基本的なことすらよく分かっていない。 『論語』は石川忠志の影響で読もうと準備だけしていたけれど、そのほかの人たちのことが分からない。 どの思想がどのような関係にある、といった関係性もよく分からなかっ... -
『神話の力』
ジョーゼフ・キャンベル+ビル・モイヤーズ 飛田茂雄訳 大塚英志の本でキャンベルに言及されていたので、十年以上も前に買ったこの本を引っ張り出してきた。 [blogcard url="https://madao-betsuo.com/2009-07-14-010400/"] 神話について勉強しよ... -
『物語論で読む村上春樹と宮崎駿』
大塚英志 最近書店に行かずAmazonでばかり本を買っていたが、新しい本についてチェックしきれないので久しぶりに書店に出向いたら大塚英志のこの本が出ていたので買った。 ジャパニメーションも村上春樹もよしもとばななも、それらが容易に世界化するの...