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『ひまわり』
ヴィットリオ・デ・シーカ監督 学生の頃に見たが、ヘンリー・マンシーニの音楽と、戦争による悲劇、というキャッチフレーズ的な記憶しかなかった。 改めて見てみると、映画のテンポの良さに驚く。 だらだらと悲しい悲しいと言っている映画ではなく... -
『鴨川ホルモー』
万城目学 タイトルが謎めいている。 読んでみると、この小説は基本的に「ホルモー」についての解説なのである。 ホルモーとは大学生が式神を使って戦う競技なのだが、簡単にそんなふうにかいつまんでもどうしようもなく、ばかばかしい話になってし... -
『夜の大捜査線』
ノーマン・ジュイソン監督 音楽がかっこいい、と思ったら、主題歌はレイ・チャールズで、音楽はクインシー・ジョーンズだった。 シドニー・ポワチエ演じる敏腕刑事がかっこいい。 よそから来た敏腕刑事と、元々いる署長が反発し合いながら、いつの間にか心... -
『昭和史 戦後篇』
『昭和史 戦後篇』半藤一利(平凡社) 先日半藤さんの『幕末史』がひじょうにおもしろかったが、そのときいっしょに手に入れた本。戦争が終わるまでの『昭和史 1926~1945』はすでに友人に借りて読んでいて、これでいちおう半藤さんの『~史』... -
『おぱらばん』
堀江敏幸 堀江敏幸の本はなんとなく手に取らないまま来てしまった。 気になってはいるのだが、後回しにしよう、と言って。 読んだらきっとおもしろいんだろうな、とは思いながらも、まだ読んじゃだめ、と思いながら本だけは手に入れてきた。 新潮文... -
『マダムと女房』
五所平之助監督 郊外の家に引っ越してきたが、雑音のせいでなかなか執筆に集中することができない劇作家。かまってほしいがためにわざと騒音を出す女房。ある日、大音量で音楽が鳴り響く隣の家に抗議に行く。その家に住んでいる洋風のマダムにすっ... -
『柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方』
柴田元幸 高橋源一郎 柴田さんと高橋さんの対談集と聞いたらそれは読まずにいられまい。 柴田さんが大学までそんなに小説を読んでいなかった、という話に驚き、高橋さんが大江健三郎のことを「大きい狂気を抱えている人」と評したことに、ああそう... -
『グッバイ、レーニン!』
ヴォルフガング・ベッカー監督 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より) 激動した時代の東ドイツが舞台の、優しくて哀しいコメディ。熱心な社会主義者で愛国心の強い母親が、心臓発作で昏睡状態に陥ってしまう。奇しくもその直後にベルリンの壁は崩... -
『眺めのいい部屋』
ジェームス・アイボリー監督 E・M・フォスターの同名小説を映画化した名匠ジェームズ・アイボリー監督の出世作。20世紀初頭、まだ封建的思想の色濃いイギリスの名家の令嬢ルーシー(ヘレナ・ボナム・カーター)は、フィレンツェ旅行に赴いた際、... -
『できそこないの男たち』
福岡伸一 けっこうショッキングな本でした。 この本は生物の基本仕様は女性であって、男性は必要上その基本仕様をカスタマイズされたものである、ということを説明する。 これまで見てきたとおり、生物の基本仕様(デフォルト)としての女性を無...