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『偶然の旅行者』
ローレンス・カスダン監督 私は旅行しなくても旅行のためのパッキングがとても好きなので、冒頭の旅行の荷物についての解説部分から一気に引き込まれてしまいました。 優柔不断な男が主人公、というだけですっかり自己嫌悪状態で見たけれど、あそこ... -
『幕末史』
半藤一利 歴史について語る本についてはどんなものだってバイアスがかかっているのに違いありません。 語るという行為はたぶんどうしようもなく好き嫌いを現してしまうのです。 したがって、その語りを受け取る側もひょっとしたら違うぞ、眉唾かも... -
『現実入門』
穂村弘 この本については前からおもしろそうだなと思っていました。 なんといっても、わたしじしんが現実から逃避したままこの年までやってきてしまった、というふうにいつも思い続けていたからです。 そう、私は経験値が低い。「家を買う」というような... -
『短歌の友人』
穂村弘 高橋源一郎『大人にはわからない日本文学史』で面白そうに紹介されていたので手に取りました。 [blogcard url="https://madao-betsuo.com/2009-03-07-011119/"] これは面白い。 恥ずかしながら私は短歌にはあまり触れたことがありません。 ... -
『人間の未来―ヘーゲル哲学と現代資本主義』
竹田青嗣 ほとんどの人に何の自慢にも聞こえないのだろうが、竹田青嗣の本はかなり読んでいます。 しかしながら、ここのところまともに本を読める能力をほとんど失っており、この本についてもきちんと読めたとは言いがたいものがあります。 ひとつ... -
『大人にはわからない日本文学史』
高橋源一郎 わかったことは明治から始まった近代日本文学というものが終わり、いままったく違う新しい時代が始まろうとしている、ということ。 新しい時代がどんなものになるのかはわからない。 文学についてのひとつの時代が終わるということは、... -
『代表的日本人』など
何冊か本を読みました。 ①松岡正剛『連塾・方法日本1神仏たちの秘密―日本の面影の源流を解く―』 ②保阪正康『若い人に語る戦争と日本人』 ③内村鑑三『代表的日本人』 ①は例によって松岡さんの博識ぶりに圧倒されます。 何と何とをつなぎ合わせれば新しい面... -
『サブリミナル・インパクト――情動と潜在認知の現代』
下条信輔 知覚心理学者である下条さんの本は以前『サブリミナル・マインド』を読んだことがあり、刺激を受けた。 [amazonjs asin="4121013247" locale="JP" title="サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)"] 例によって詳しいこと... -
『夫婦善哉』
織田作之助 織田作之助は今までまったく読む機会がなかった。 なんとなく坂口安吾と同じ系統でちょい下くらいのイメージを勝手に作っていたのだ。 無頼派、というひとくくり。 読まず嫌いはよくない。 面白いなあ。 素晴らしい短篇集。 おしなべて文章の... -
『寂聴と磨く「源氏力」全五十四帖一気読み』
「百万人の源氏物語」委員会 編 源氏物語はいつか読みたいと思って、最初は谷崎訳を購入したが挫折。 次に与謝野晶子訳を購入したがやはりだめ。 あらすじ本的なものを何冊か読んで準備したこともあった。 橋本治『窯変 源氏物語』もとりあえず買いそろ...