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実は読んではいたが
『誰も知らない世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義』松岡正剛 『謎とき村上春樹』石原千秋 『日本の行く道』橋本治 年末年始でとびとびに上記の本を読み、さらにあいだにはヘミングウェイの短篇集などを拾い読みしたりしていたのだが、なんだかま... -
『文章読本さん江』を読む
斎藤美奈子 斎藤美奈子の本は『妊娠小説』『冠婚葬祭入門』と読んできた。 斎藤美奈子の視点や、切り口や、裏付けの史料の膨大さもすばらしいが、何より文体が大好きだ。 などと、この『文章読本さん江』を読むと文体のことをうかつには言えなくなってしま... -
『よだかの星』をまた読んで
宮沢賢治 宮沢賢治の本はこどもの頃から読んでは来たけれど、正直言って『銀河鉄道の夜』とか『風の又三郎』がきちんと読めていたか、というと心許ない。 また読み直すことにしたけれど、そのなかで『よだかの星』はこどもの頃から読むのがつらい話だった... -
『パルプ』だよ人生は
チャールズ・ブコウスキー 柴田元幸訳 以前読んで、今回再読。 たぶん、初めて読んだときは相当読み飛ばしたのだろうな、と思う。 だってこの小説、かなり変なんだ。 探偵が依頼を受けて解決しようとする、というのが大きな話なのだが、この探偵、... -
『大聖堂』などカーヴァーの小説を読み続ける
村上春樹の訳したレイモンド・カーヴァーの短篇集を何冊か買って、順番に読むことをせず、適当に(解説なども参考にしながら)読んでいく。 これって好きなミュージシャンのアルバムを何枚か買って、シャッフルで聴いているのとよく似ている。 いままでこ... -
『くずれる水』『あかるい部屋のなかで』を読む
金井美恵子(『ピクニックその他の短篇』所収) 『くずれる水』を読んでいると、昔読んだ蓮實重彦の『陥没地帯』と雰囲気が似ているな、と思った。 [amazonjs asin="4309024866" locale="JP" title="陥没地帯/オペラ・オペラシオネル"] 『陥没地帯』は私が... -
『ささやかだけれど、役に立つこと』はすごい
『ささやかだけれど、役に立つこと』レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳(『大聖堂』所収) 『頼むから静かにしてくれ』がデビュー時の作品を集めたものだったのに比べて、『大聖堂』に収められている諸編は村上春樹の解説によれば、成熟期の作品であると... -
カーヴァーの短篇小説を読んでいる
『頼むから静かにしてくれ Ⅰ』レイモンド・カーヴァー 村上春樹訳 『考える人』という雑誌の2007年春号で、村上春樹がインタビューを受け、カーヴァーから何を学んだのかという問いにこう答えている。 最後にカーヴァーからぼくが学んだのは、「偉... -
金井美恵子の短篇小説を読んでいる
『愛の生活/森のメリュジーヌ』『ピクニック、その他の短篇』など 短篇拾い読みはカフカから金井美恵子にまで手が伸びた。 金井美恵子というと最近はうねうねとつづく文体で、事細かな描写がある種の特徴だ、と思うけれど(変なことを言うとすぐ怒られそう... -
『処女の泉』を見る
イングマール・ベルイマン監督 宗教的であり、神話的な映画である。 山の中で二人の男に若い娘が強姦され殺される。 娘の帰りが遅いと心配する家族のもとにその犯人たち(二人に加えて一緒にいた幼い少年)が泊めてもらいたいと訪れた。 男が売りたいと差...