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『テロルと映画 スペクタクルとしての暴力』
四方田犬彦 中公新書 「テロル」と「映画」という言葉で思い起こすとしたら「9.11」と『ダイ・ハード』になってしまいます。 現在から思い起こすと、どちらが先に見た映像だったのか、分からなくなっています。 四方田さんは「テロリスム... -
『小沢健二の帰還』
宇野維正 岩波書店 小沢健二さんとは同世代に属する者です。 前世紀末に彼が姿を見せなくなってからも、ずっと気になっていました。 「僕らが旅に出る理由」をカラオケに行くとほぼ必ず歌う程度には。 昨年の突然の復活(と思った)は喜ばしいものでし... -
『漫画のすごい思想』
四方田犬彦 潮出版社 先日読んだ『日本の漫画への感謝』の続編です。 https://madao-betsuo.com/nihonnomangahenokansha/ 前作は、戦後の漫画家を中心としたエッセーでした。 本書は「六〇年代後半から九〇年代にいたる漫画家たちの列伝」。 漫画... -
『日本の漫画への感謝』
四方田犬彦 潮出版社 いままでに四方田さんの本は『「かわいい」論』、『ゴダールと女たち』という新書を読んだことがあります。 基本的に映画の人だという認識でしたが、漫画の研究もされていたのでした。 私は何も知らないなあ。 この本... -
「風と共に去りぬ」
「風と共に去りぬ」 監督 ヴィクター・フレミング *この記事にはなんとなくネタバレがあります 学生時代の終わりから社会人になりたての頃にかけて、『大アンケートによる洋画ベスト150』という本を片手に、レンタルビデオ屋でビデオを借りてきて16イン... -
『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』
仲正昌樹 NHK出版新書 「全体主義」は過去のことばのように思えます。 せいぜい、時の政権を大げさに批判するときに使うことばに過ぎないのではないでしょうか。 しかし仲正さんは、ハンナ・アーレントの『全体主義の起原』を読みときながら「全体主... -
『アウトライン・プロセッシングLIFE アウトライナーで書く「生活」と「人生」』
Tak. アウトライナー「フリーク」とまではいかないけれど、アウトライナー「ファン」としてTak.さんの本は『アウトライン・プロセッシング入門』『アウトライナー実践入門』と読みすすめてきました。 [amazonjs asin="B00XCIETIG" locale="JP" titl... -
『3日もあれば海外旅行』
吉田友和 光文社新書 旅にあこがれます。 そのいっぽうで、ひどくものぐさなので実際に出かけるのが面倒でもあります。 折衷案として、旅の本を読んで紛らわすことになります。 吉田さんは、外国のように長期間の休暇が取れないなら短期間でも旅に出... -
『本を遊ぶ 働くほど負ける時代の読書術』
小飼弾さんは、一日10冊の本を読む読書の達人です。 この本には、達人らしい名言が散りばめられています。 「本とは他人の考えを読むものだ」と思っている人が大半でしょう。でも実は本を読むことで何が読めるかといえば、自分自身なのです。 「本は自分の... -
『大江健三郎柄谷行人全対話 世界と日本と日本人』
大江健三郎さんと柄谷行人さんは、私にとっては小説と批評のそれぞれのジャンルのヒーローです。 その二人の対話、ということですぐ入手して読みました。 最近の対話かと思ったら、1990年代に行われた対談が収録されていました。 少しがっかり。 対談は、1...